煩悩を手放して新たな年を迎えよう!

残すところ今年もあと少しとなりましたね。
12月は1年間溜め込んだ要らないモノを手放すのにとても良い時期です😊
今回はヨガの哲学を交えながら煩悩について簡単に紹介してみたいと思います。

ヨガのクラスで座って足を組んで瞑想している女性のグループ

まず、煩悩と聞いて思い浮かべるのが大晦日に108回鳴る除夜の鐘ではないでしょうか。回数のとおり私たち人間には108種類の煩悩があると仏教では伝えられています。 しかし、108つの煩悩を覚えるのはもちろん、意識するのもなかなか大変ですよね。 その一方、ヨガの古い経典では5つの煩悩についてだけ書かれていますので今回はこちらを紹介します。

●そもそも煩悩とは
人々を悩まし苦しめる心のはたらきのことを言います。この苦しみの根源ともいえる、煩悩を学び、これらを上手く手放せば心の安らぎに繋がります。

●ヨガの5つの煩悩(クレーシャ)
①アヴィディヤ:無知・思い違い
②アスミター:自我意識・エゴ
③ラーガ:執着・欲望
④ドヴェーシャ:嫌悪・憎しみ
⑤アビニヴェーシャ:死への恐怖

●無知
何か物事を知らないとの意味ではなく、本当の自分が何かをわかっていないことを指します。普段、私たちは身体や思考や感情そのものを自分自身だと思い込んでいますが、ヨガでは身体や思考は常に変化するもので私たちの本質ではないと説かれます。

ヨガで説く本当の自分とは”プルシャ”(変わらないもの)、わかりやすい言葉で言うと「魂」「肉体を持っていない時の意識」と考えられています。日常生活ではなかなか感じることが難しいこのプルシャですが、クラスの一番最後に出てくる仰向けの姿勢(シャヴァーサナ)の時がまさに自分の本質へと近づいている状態です。

●自我意識
自己中心的な考えであったり、「私が!私が!」という意識。この意識によって「わたし」と「あなた」という区別が生まれ、区別から比較が生まれます。比べることによって劣等感や嫉妬心、自己否定、自己批判などに繋がっていきますのでしっかりと手放しましょう。

●執着・欲望
好きなもの、大切にするものに対して強い執着や欲望を持つこと(家族・子ども・ペットに対しても)

また心地よさへの執着は私たちが思う以上に大きな苦しみや悲しみをもたらします。例えばホッとしたい時に飲むコーヒー、味わい深いチョコレート、大切にしていたものをなくした時など、ひとたびそれがなくなると、私たちは仏教でいうところの「渇望」を感じ、さらに求めるようになってしまうのです。さらに古い考え方などに執着している場合はなかなか新しい考え方を取り入れられず成長を妨げてしまうなどなど。執着心や欲望はまさに私たちを苦しめる代表的な心のはたらきですのでこれも手放しましょう。

●嫌悪
物事の良し悪しを判断する感情のことで、悪いと決めつけたものとの間には必ず分離や不調和が生じてきます。

また嫌悪感を抱く際は過去に経験した苦の知識が働いている場合が多くあります。今現在起こっていることに対して、過去の経験というフィルターを通して物事を見てしまうため正しく物事を見ることが難しくなってきてしまいます。

●死への恐怖
この世に生まれた限り、皆平等に肉体を手放す時期が訪れます。実はマットの上での練習は人生を表していると言われ生まれてから死ぬまでの練習をしていたりします。

母親のお腹から出てきて一番にすること、それは呼吸です。そのためクラスでもまずは呼吸の練習からはじめ、少しずつ動きが大きくなり、最後はシャヴァーサナ(死体のポーズ)でおやすみという流れ。いつも何気なくやっている一連の流れにもちゃんと意味があるのです。

●煩悩を弱めるためには
ずばり!ヨガをすることです。瞑想が一番効果的と言われますがアーサナ(ポーズ)の練習でも瞑想状態に近づくことは出来ます。その際に大事なポイントは”身体の反応や心の動きを客観的に見ること”です✨

このヨガの練習に取り入れたポイント“身体や心の観察“を日常の生活でも意識して行うようにすると自然に煩悩が弱まってきます。

あと簡単に出来ることはお部屋の掃除ですね。身の回りがきれいに整っていると当然、心も整いやすくなりますから◎

最後に
今月は煩悩についてでしたので少し難しい話もありましたが、こういった哲学的なことも理解しつつヨガの練習に取り組むことで、ただ単に身体だけの練習ではなく人生をよりよくするための総合的で奥深いヨガの練習が出来るのではないかと思います。

今月はヨガの練習ではいつもより自分自身を客観的に見ることを意識して、必要のない感情は手放して、お家の中はピカピカに大掃除をして、気持ち良く新しい年を迎えられるよう準備の1ヶ月にしてみてはいかがでしょうか😊